森林資源

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植物資源の利用、食生活に関する文献、ウェブに公開されているデータとその解析、DX・データサイエンスに関する話題、データ解析に用いたプログラムのコード(主にPython)などを紹介します。

木質バイオマス発電事業

カテゴリー: 森林資源

作成日: 2022-09-20

 持続可能な社会の実現を目指し、森林の整備、エネルギー自給率の向上、環境に優しい素材の供給源としての森林資源の利用が注目されます。しかしながら、この分野の情報は普段なかなか目に触れる機会が少ないです。
そこで、森林資源の利用について、行政の動き、事業者の状況、特許、研究論文について調査しています。
今回は、木質バイオマス発電事業の状況について紹介します。

木質バイオマスとは

「バイオマス」とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」のことを呼びます。そのなかで、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。
木質バイオマスには、主に、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮やのこ屑などのほか、住宅の解体材や街路樹の剪定枝などの種類があります。
一口に木質バイオマスといっても、発生する場所(森林、市街地など)や状態(水分の量や異物の有無など)が異なるので、それぞれの特徴にあった利用を進めることが重要です。

林野庁 「木質バイオマスとは」より

木質バイオマス発電所

木質バイオマス発電とは、木質バイオマスを燃やしてタービンを回して発電する仕組みを指します。発電方法は、製材端材や木質チップを直接燃焼させて、発電させる「蒸気タービン方式」と、木質バイオマスをガス化して、燃焼させる「ガス化-エンジン(ガスタービン)方式」に分かれます。

木質バイオマスエネルギー協会「木質バイオマス発電とは」より

木質バイオマス発電所はFIT、すなわち再生可能エネルギーの固定価格買取制度により増加しました。下図に示されるように2020年4月現在で稼働中の発電所は150箇所です。

木質バイオマス発電所

出典:「資料2-8 バイオマス発電事業者協会 説明資料p2」(経済産業省 林業・木質バイオマス発電の成長産業化に向けた研究会)(URL:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/biomass_hatsuden/pdf/002_02_08.pdf)

木質バイオマス発電の課題と方策の検討

 経済産業省において2020年に「林業・木質バイオマス発電の成長産業化に向けた研究会」が開催され、木質バイオマス発電の発電事業としての自立化と、木質バイオマス燃料の供給元としての森林の持続可能性の確保を両立させるための検討がされています。

「林業・木質バイオマス発電の成長産業化に向けた研究会」報告書(令和2年10月16日) では、地域の要請に応える持続可能な林業・木質バイオマス発電の成長産業化に向けた対応として、以下のように課題と対応が整理されています。詳細は報告書を参照ください。

  1. 森林資源の持続的活用について(広葉樹・早生樹の活用を含む。)
  2. 木質バイオマス熱利用の推進について
  3. 木質バイオマス燃料の品質安定化について
  4. 木質バイオマス燃料の加工・流通・利用の在り方・実態把握について
  5. 既存の木材利用との競合に係る懸念払拭について

 FITに依存しないためのコストの低減、環境への影響の抑制、紙パルプなどの既存の森林資源利用を圧迫しない、海外資源に依存しないなどがキーのようです。

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