杉山産業化学研究所 80周年

序に代えて  創立80周年を迎えて


(財)杉山産業化学研究所(以下、杉研と略す)が創設されて、80周年の節目を迎えました。50周年の折には、「杉山産業化学研究所の歩み」(昭和61年9月25日発行)や「蛍窓五十年」(平成3年6月25日発行)が菊池一徳さんや菰田衛さんのご尽力により、貴重な経験や資料を記録として整理しまとめられ刊行されています。

その後、平成の時代になり、平成15年にJ-オイルミルズが設立されて、杉研の立ち位置も変化し、加えて公益法人の制度改革が実施され、平成23年10月に一般財団法人に移行しました。さらに、平成28年4月には、杉研の土地・建物をJ-オイルミルズに売却し、研究職員は転籍し、財団事業は研究助成事業のみとし、事務所も横浜市西区北幸に移転する大きな変革がありました。

杉研創設50周年の「杉山産業化学研究所の歩み」と50周年以降の平成時代の活動を記した「平成の歩み」にその後の活動を加え、 杉研創立80周年を迎えた今、「杉研の昭和から平成・令和の80年の歩み」として創設期から今日までの杉研の歩みをまとめ、杉研に集う人々を記録に留めて、大きな節目の記念としたいと思いました。
菊池一徳さんが「杉山産業化学研究所の歩み」に残された ”所縁のある関係者の皆様に、その時代、あの時代におけるあの時、あの一日を懐かしく思い出すことに、少しでもお役に立てれば、望外の幸せと存じます。”の言葉と同じ思いです。

私は平成20年4月から杉研の運営に関わり10余年の歳月を重ね、奇しくも、杉研80周年の節目に立ち会うことになりますが、その間、杉山金太郎氏が財団を創設した志や80年間に営々として築かれた諸先輩の遺産の恩恵を受けていることの有り難さを折に触れ、しみじみと感じ、その幸運に心から感謝しています。 今、改めて杉山産業化学研究所を舞台としたご縁の不思議さと感謝の念に胸がいっぱいになります。 最後になりますが、杉研に所縁のある多くの皆様に、心から敬意を表し、厚く御礼申し上げます。
今後も、杉研を温かく見守って頂きます様、心からお願い申し上げます。

令和4年

理事長  徳田正弘