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*上の画像はStable Diffusionで"impacts of climate change on rice cultivation in Japan"のプロンプトで生成させた画像です。

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植物資源の利用、食生活に関する文献、ウェブに公開されているデータとその解析、DX・データサイエンスに関する話題、データ解析に用いたプログラムのコード(主にPython)などを紹介します。

2023年夏の猛暑と野菜の卸売価格

カテゴリー: 気候変動の影響

作成日: 2023-09-30

 今年の夏は本当に暑い日が持続しました。筆者の周りでも体調を崩す人が多かったです。気候温暖化がさらに進むのかと思うと怖くなります。後の世代のためにも何とか抑制できないかと思います。

 この記録的な今年の夏の暑さとその影響を示していそうなデータを探してみました。
 今回は、7月から8月の猛暑日を記録した地点数推移と、主要市場での野菜の卸売価格がこの10年のなかで高くなっていたのかを調べました。

2023年7月から8月の猛暑日地点数推移

 猛暑日地点数データは気象庁のサイトの 真夏日などの地点数 から収集しました。集計地点は昭和(南極)・富士山・南鳥島を除く914地点です。

2023年7月1日から8月31日までの日別猛暑日地点数推移

 7月後半から各地で猛暑日が続いていたことがわかります。

猛暑日地点数推移

 

2012年から2023年までの7、8月の累積猛暑日地点数の年別推移と四分位数での箱ひげ図(box plot)

 2023年は2012年以降で最多でした。記憶には無かったのですが2018年も全国でかなりな猛暑が続いたようです。

2012年から2023年までの7,8月猛暑日地点数の推移

 

21012年から2023年までの7,8月猛暑日地点数のbox_plot

2023年9月の野菜卸売価格の直近10年間の分布での位置

 猛暑日地点数が示すように2023年の夏は全国で記録的な暑さでした。この猛暑の影響による野菜の価格への影響を調べました。データは農林水産省の青果物卸売市場調査(日別調査) から収集しました。

 2014年から2023年までの9月の37品目の野菜の卸売価格と数量データの分布から分位数・パーセンタイルで2023年9月の価格と数量の位置を確認しました。10年間のなかで数量が低く価格が高かった野菜は猛暑の影響を受けた可能性が高いでしょう。

2023年9月の卸売価格が75パーセンタイルを超えで、数量が25パーセンタイル未満の野菜

 該当するのは 'だいこん', 'にんじん', 'ごぼう', 'たけのこ', 'ちんげんさい', 'ほうれんそう', 'ねぎ', 'うど', 'みつば', 'しゅんぎく', 'ししとう', 'さやいんげん', 'えだまめ', 'さといも', 'やまのいも'の15品目の野菜でした。多くの野菜が猛暑の影響を受けたようです。

 それらのなかでも、最高価格で最低数量の'だいこん'、'ほうれんそう'、'さやいんげん'、'えだまめ' の boxplotを示します。

だいこん ほうれんそう さやいんげん えだまめ
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